藤井聡太とは何者か――『藤井聡太 強さの本質』(3)

続いて、第1回目から第16回目までの、目次を挙げておく。

 第1回 永瀬拓矢二冠 「目指すものの高さ」
 弟2回 糸谷哲郎八段 「対応力と逆転術」
 第3回 屋敷伸之九段 「負けにくい作りと踏み込みの力」
 第4回 三枚堂達也七段&青島未来五段 「大山的中盤、谷川的終盤」
 第5回 三浦弘行九段 「防御率ゼロのクローザー」
 第6回 深浦康市九段 「その将棋、ジェネラリスト」
 第7回 谷川浩司九段 「〝常識外〟こそが武器」
 第8回 山崎隆之八段 「知識と経験の融合」
 第9回 佐藤康光九段 「〝実戦的〟なんてものはいらない」
 第10回 西尾明七段withやねうら王 「〝諸刃の剣〟の踏み込み力」
 第11回 斎藤慎太郎八段 「脳内に紡ぐ終局までのストーリー」
 第12回 広瀬章人八段 「〝フジイ印〟のブランド力」
 第13回 大橋貴洸六段&佐々木大地五段 「藤井将棋に進化を見た」
 第14回 鈴木大介九段 「予言者が語る覚醒の日」
 第15回 森内俊之九段 「未知との遭遇」
 第16回 杉本昌隆八段 「源流に見る天才性」
 
メンバーは、なかなか豪華なものでしょう。

と同時に、ここには欠けている名前が、気にかかる。それは、羽生善治九段、渡辺明棋王・王将、豊島将之竜王・名人。現在、鎬を削る相手には、手の内を示さない、ということなのか。あるいは礼儀として、そうするものなのか。

それはともかく、本書に戻ろう。

各回(各章)、藤井聡太の棋譜を、5、6局取り上げて、戦術・戦法を細かく見ていくが、そういうところは、私の力では、棋譜をたどるのが精いっぱいである(というかプロの将棋なので、当たり前である)。

各章の最後に、総括的な藤井聡太評があって、これは素人にも面白い。例えば第1回の永瀬拓矢二冠の場合。

「いまの棋士は藤井聡太さんという存在に感謝すべきです。語弊があるかもしれませんが、他の棋士は強いだけと思っているかもしれませんが、強いだけじゃない。『強い』の上を行っている気がします。」
 
これはどういうことだろうか。字面通り、「強い」の上を行っている、ということなのだろうが、しかし、「『強い』の上」、とは何か。同じプロに、そういうことを言わせている、藤井聡太とは何者か。
 
第4回目の三枚堂達也七段は、次のように言う。

「中盤は手厚く慎重に指し、終盤はアクセルを踏む。しかし他の人よりも踏むタイミングが早く感じます。同じ人が指しているとは思えない。中盤は大山名人、終盤は谷川先生、そういう作りに感じます。」
 
問題は、中盤の大山名人のところである。これは生まれ変わりとは、関係がない。
 
藤井は、「エリアを確保して自玉を寄せづらくさせる」、という指し方をしているという。大山康晴も、このように「エリアを確保する」という指し方を、していたんだろうか。
 
私には、全然わからない。

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