来年、2024年から新NISAが始まる。
私たち夫婦は年金暮らしで、住んでいるマンションは賃貸だから、貯蓄はかなり急激に目減りしてゆく。寿命が尽きるのが先か、預金が尽きるのが先か。
そこへ新NISAの「朗報」である。これについて、7,8月はかなり必死になって勉強し、計画を立てた。と言っても、本を2,3冊読んで、ネツトで関連する内容を読んだだけだが。投資信託の米国株式S&P500か、全世界株式オールカントリーか。
いろいろ調べていく中で、インド株が狙い目だ、というのが目についた。
でも、インド株って、どんなものがあるんだろう。だいたい株そのものを、やったことがないのだから、インド株といっても、かいもく見当がつかない。
そのときこの本が、目に飛び込んできた。べつにインド株の話をするわけではないけれど、インドを全体的に理解するのには役立つかもしれない。
著者の近藤正規氏は1961年生まれ。アジア開発銀行、世界銀行でインドを担当、インドのすべての州と連邦直轄領を訪れ、論文を多数執筆、専門はインド経済、開発経済学、と著者紹介にある(短く抜粋)。
オビ表には「インド経済研究の第一人者が/『強さと脆さ』/を徹底解明」とあり、オビの背には「財閥、IT産業から/外交、格差問題まで」とある。これは是非とも読まねば、という気になるでしょう。
で、読んでみたのだが、うーん、どうしたもんかなあ。
とりあえず「はじめに」から読んでいくことにする。
「22年にインドは為替レートで換算した名目国内総生産(GDP)で世界第5位、物価水準を考慮したGDPでは世界第3位の経済大国となっている。2023年には人口で中国を抜いて世界第一位になったインドは、ますます存在感を強めている。」
細かいことは分からないが、経済でも、人口でも、世界のトップを争うところまで来ているらしい。
ちなみに地球の総人口を70億とすれば、インドは14億、つまり2割はインド人、5人に1人はインド人、ということになる。
これは中国も同じである。やはり14億だが、微差でインド人が抜いたと推定される。ここまで厖大な数になると、きちんとは測れない、ということらしい。推定する以外に方法がない。
しかしその次にこう書いている。
「とはいうものの、インドの1人当たりの所得はいまだに年2200ドル(28万6000円。1ドル130として計算、以下同)程度で世界139位にすぎず、貧困と格差問題は深刻である。経済成長の反面、地域間、男女間、カースト間、宗教間で格差が縮小せず、大気や水質の汚染も深刻である。インドの農村を実際に訪れてみれば庶民の苦しい生活実情は容易に見てとれる。」
どう考えればいいのだろう。日本の格差ですらよく把握できないのに、14億を全体として思い浮かべるというのは、私の頭ではとうてい無理である。
まあとにかく読んでいこう。その前に、全体の章見出しを挙げておくのがいいだろう。
第1章 多様性のインド――世界最大の民主主義国家
第2章 モディ政権下のインド経済
第3章 経済の担い手――主要財閥、注目の産業
第4章 人口大国――若い人口構成、人材の宝庫
第5章 成長の陰に――貧困と格差、環境
第6章 インドの中立外交――中国、パキスタン、ロシア、米国とのはざまで
第7章 日印関係――現状と展望
当面、知りたいことを網羅していていうことがない。それはそうなのだが、1人の人が書くには、欲張り過ぎた気もする。