意気込んではみたけれど――『2020年 マンション大崩壊』(2)

まず最初に、早稲田大学の小松幸夫教授の調査によれば、マンションの寿命は68年だという。
 
何をもってマンションの寿命というか。

「人間の体で言えば骨格や肉体にあたる建物構造軀体とともに、血管に相当する上下水道や電気・ガスといった配管配線部分の寿命も問題となります。これらの配管関係の更新が可能と考えて、建物自体が朽ち果てることなく存続できる年限」ということである。
 
これはたぶんマンションによって、おそろしく違いがあるのだろう。ここをつついては議論が先へ進まないので、いったんマンション寿命68年説を受け入れておく。
 
実際、マンションの募集広告を見ても、さすがにこれよりも古いのは、見当たらない。
 
それを前提にして、現在起きているのは、空きマンションの問題である。

国土交通省によれば、2013年の調査では、空き住戸率が20%を超えているマンションは、まだ〇・八%に過ぎない。しかしこのまま推移すると、15年後には、マンション全体の7割程度が、高齢者世帯という時代になる。
 
それに伴って、マンションの空家は徐々に大きな問題になり、それが全体の30%を超えるくらいから、どうにもならなくなってくる。いわゆるスラム化の始まりである。
 
マンションは、自分が所有した後も、管理費と修繕積立金を払って行かなくてはいけない。
 
しかしたとえば、築40年以上のマンションなら、そして30%が空家なら、もうこれはどうにもならない。
 
ふつう、マンション全体のことを決めるには、管理組合総会を開いて、出席者の過半数で物事を決める。

しかしマンションの共用部の大幅な変更などは、議決権の4分の3以上の賛成が必要になる。

さらに全体の建て替えでは、5分の4以上の賛成が必要になる。
 
とはいうものの、マンション全体の建て替えなど、実際にやっているところがあるんだろうか。
 
私はこの本を読んで、つくづく考えてしまった。

私たち夫婦が、マンションを取得するとすれば、値段を見れば、築20年前後がいいところだ。そこに20年から25年住めば、私の子供たちは、築40年から45年のマンションを相続することになる。
 
そういうものを相続して、2人の子供たちが、果たして喜ぶだろうか。はっきり言って、それは負の遺産ではないだろうか。
posted by 中嶋 廣 at 00:16Comment(0)日記