「ふんどしおやじ」――『日本古書通信』6月号

僕は4年前から、『日本古書通信』に書評の連載を持っている。

『日本古書通信』は本と古本の雑誌で、1934年(昭和9年)1月に創刊されているから、おおかた百年経つ。思えばなかなかすごいことだ。現在の編集長は樽見博さん。
 
その雑誌に、小田光男さんが、「古本屋散策」というのを連載している。6月号は題して、「三一新書と野次馬旅団編『戯歌番外地』(ざれうたばんがいち)」。
 
これがなかなか面白い、というか、あまりにおかしくて、笑い死にしそうだ。
 
三一新書なので、サブタイトルとして、「替え歌にみる学生運動」と付されている。

60年代の初期から69年11月まで、そして番外として、戦前から50年代のものが付け加えられ、それぞれの時代のヒット歌謡、106曲の替え歌が、収録されている。
 
そこで小田さんの挙げた歌は、『ハレンチおやじ』で、元歌は『オウマのおや子』(童謡)である。

「『三島おやじは/ふんどしおやじ/男の美学で/キンタマ/ゆれる』とある。当時の三島の日本刀を持つふんどし姿の写真を、「戯歌」としたものだ。」
 
百の説法屁一つ、ではなくて、替え歌一発!
 
もっとも小田光男さんは、あくまで正統な「古本屋散策」をくずさず、真面目である。

「この『ハレンチおやじ』は、その注に『早稲田界隈の活動家が口ずさんでいたものを収録した。ナンセンス歌謡の傑作』とされるが、私はきいたことがない。」
 
僕も聞いたことがない。

「この一冊は『序詞』上野昂志、『挿画師』赤瀬川原平、協力者として、新崎智=呉智英、松田哲夫の名前が記されているように、『ガロ』の関係者と三一新書のコラボレーションによると見なせよう。」
 
この本、だれか復刊してくれないか。

僕がトランスビューをやっていたら、まちがいなくやっていたのに。ほかに100余曲のどんな歌が載っていたか、ぜひ知りたい。

(『日本古書通信』6月号、日本古書通信社、2020年6月15日発行)
posted by 中嶋 廣 at 11:53Comment(0)日記