角度を変えて見てみれば――『知っておきたい入管法ー増える外国人と共生できるかー』(2)

2018年秋に、入管法改正が行われた。最大の要点は、新たな在留資格である、「特定技能」の創設である。
 
これは、国内で人材が不足するのは、もうどうしようもないので、そこを外国人に埋めてもらおう、というものだ。
 
次の14業種が指定されている。
 
介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

これだけ見ると、日本のあらゆるところで、人不足が起きていることが分かる。
 
とくに介護業は、これから老人が、爆発的に増えそうで、けさのニュースでも、70歳以上の老人が、総人口の2割を超えたといっていた。もう待ったなしである。
 
私が通っている、二箇所のデイサービスでも、本当に高齢者は多い。老人向けのデイサービスなんだから、老人しかいなくて当たり前だろう。それはそうなんだけど、高齢者の層が違うのだ。
 
どちらも20人前後の集団で、私がいちばん若い。コアになっているのは、80後半から、90前半である。そしてどちらの集団にも、100歳を超える人がいる。
 
本当にこのまま老人が、爆発的に増えていけば、どうなるか……。自分のことはさておいて、私はもう、あまり考えたくない。外国から、介護のためにやってくる人が、果たして間に合うか。
 
もうすでに介護者は、30万人以上が不足している、という話もある。
 
そういうこととは別に、この著者は、入国管理局で難民審査の参与をしている割には、事態をまっすぐに見ていない、というか、押し寄せる外国人を、より大きく捉えることが、うまくできていない。
 
あるいは、難民審査をしているから、かえって、木を見て森を見ず、ということになるのだろうか。

「最近、政府は『特定技能』という新たな在留資格を創設し、人材不足の分野における外国人の受け入れを拡大する方針を打ち出し、そのための法改正を行いました。ただ『特定技能』創設の法改正のための国会の審議では、『特定技能』そのものの該当性については緻密な審議がなく、『移民政策ではないか』といったレトリック論が目立ったのは残念です。」
 
ここは、うまく言えないが、移民政策ではないか、といったレトリック論が目立ったのは、そういう必然性があったからだと思う。

日本は、広い意味での「移民」について、ギリギリのところまで煮詰めて、態度を決定すべきなんじゃないか。

そういうところも含めて、この本は、ややピントがずれていると思う。

(『知っておきたい入管法ー増える外国人と共生できるかー』
 浅川晃広、平凡社新書、2019年3月15日初刷)
posted by 中嶋 廣 at 14:51Comment(0)日記