角度を変えて見てみれば――『知っておきたい入管法ー増える外国人と共生できるかー』(1)

これは、『コンビニ外国人』の流れで、読んでみた。
 
こちらは昨年秋の、入管法改定を踏まえて、書かれているものだ。
 
カバー袖に簡潔に、本書の内容が記されている。

「日本には既に永住許可を得た約76万人の/『移民』がおり、出稼ぎ目的の偽装難民も/空港に押し寄せている。/政府は介護や外食産業など、人手不足の分野を/担う外国人の受け入れをさらに拡大。/政府による法改正の意図とは。」
 
そして色を変え、文字を大きくして、

「世界第4位の移民大国・日本は、/入管法改正でどう変わるのか?」
 
入管法は、2018年秋、外国人労働者の受け入れ拡大のために、政府が、法の改正案を国会に提出し、それが成立して、劇的に変わった。
 
しかし、そもそも、その前提となる、おおもとの国籍が、よくわからない。
 
例えば、テニスの全米オープンで優勝した、大坂なおみさんは、どうして英語が、主たる言語なのに、日本人だというのか。

「〔彼女は〕父親はアメリカ人ですが、母が日本人であったため、生まれた際に日本国籍も取得し、現在アメリカと日本の二重国籍です。」
 
だから入管法上は、アメリカ国籍は持っていたとしても、日本国籍も持っているので、日本人にもなるわけである。
 
ふーん、日本人でも、一人の人が、日本を含む、2つ以上の国籍を持っていてもいいんだ。これは知らなかった。
 
では大坂なおみさんは、アメリカでも、自分の国のテニス界の誇りとして、有名になり、歓迎されているのだろうか。そういう疑問が、すぐに浮かぶが、この本では、それには答えていない(まあ、当たり前である)。
 
著者は、叙述に客観性を持たせようとして、勿体をつけているような気が、私にはする。

「〔開国人の技能実習という〕制度をあくまでも『技術移転』として位置づけるのか、それとも正面切って『労働力不足解消』と位置づけるのかについては議論の分かれるところだと思います。」
 
私は、議論は分かれないと思う。「労働力不足解消」と位置づけるに、決まっているではないか。だから外国人を、非常識に安い賃金で働かせるな、という議論になるのだ。

「二〇一八年の入管法改正で創設された在留資格『特定技能』については、明確に人手不足分野での外国人受け入れとして位置づけています。」
 
これはもう、位置づけるなんてもんじゃない、とにかく、安倍首相以下、政治家と、産業界のトップは、待ったなしである。人が来なくて潰れるところが、続出しているのだ。
 
コンビニの24時間営業も、人手が足りなくて、時短を余儀なくされているのだ。
posted by 中嶋 廣 at 09:12Comment(0)日記