どういうふうに考えるべきか――『コンビニ外国人』(2)

留学生の場合、出入国管理法で、週に28時間まで、夏休みなどは週に40時間までと、労働時間の上限が決められている。これを破ると、雇用する側と、される側の、両方に、罰則が科されることになっている。

「ちなみに『週に二十八時間』を仮に時給1000円で計算すると、週給二万八〇〇〇円だ。四週間働くと額面で一一万二〇〇〇円の稼ぎになる。時給が八〇〇円なら四週間で九万円弱。」
 
だから、週に28時間を守っていたのでは、かつかつの生活ができるだけで、たとえば、この先、学費を払うことはできない。

「二年目以降の学費を払えずに退学してしまうと、当然のことながら留学ビザでの滞在資格はなくなる。」
 
そうすると留学生は、次の三通りしか、選べなくなる。

1、借金を背負ったまま帰国する。
2、強制送還を覚悟でオーバーワークする。
3、とにかく失踪する。
 
つまり、週28時間を守っていては、貧乏な留学生は、日本で暮らしてはいけない。
 
これはこれで、日本の政府としては、一応の筋は通している。一定の富裕な層以上でなければ、日本に留学してはいけない(でもこれは、日本会議が描く鎖国「日本」と同じで、ちょっと空想的だ)。
 
たとえばコンビニは、今では圧倒的に外国人を頼りにしていて、彼らがいないと、立ち行かないのだ。
 
コンビニだけではない。留学生とは別に、外国から「技能実習生」として、それぞれの事業所で、個別の技術を習得する目的で、入国している人も多い。

「たとえば、早朝のコンビニでおにぎりをひとつ買うとしよう。……/おにぎりを買ったレジのスタッフは外国人のようだ。/その数時間前、工場から運ばれてきたおにぎりを検品して棚に並べたのも別の外国人スタッフだ。/さらに数時間前、おにぎりの製造工場で働いていたのも六~七割が外国人。日本語がほとんど話せない彼らをまとめ、工場長や各部署のリーダーからその日の業務内容などを伝えるスタッフも別の会社から派遣された外国人通訳である。/そして、『いくら』や『おかか』や『のり』の加工工場でも多くの技能実習生が働いている。/さらにその先の、米農家やカツオ漁船でも技能実習生が働いている可能性は高い。」
 
コンビニだけではない。年が明けて、安倍晋三首相が、外国人を受け入れる、開国元年のようなことを言ったが、現実はもう、それを、はるかに超えているのだ。
posted by 中嶋 廣 at 09:07Comment(0)日記