どういうふうに考えるべきか――『コンビニ外国人』(1)

タイムリーな本である。というよりも、本になるのが、ちょっと遅いくらいである。

あるいはもっと遅くて、今年になっていれば、入管法がかなり変わっていて、これはこれで、実にタイムリーな本になっていたろう。

それでも、問題の大枠を見るのには、都合がよいような気がする。
 
著者の芹澤健介は、初めて読む人である。
 
「東京二十三区内の深夜帯に限って言えば、実感としては六~七割程度の店舗で外国人が働いている。昼間の時間帯でもスタッフが全員外国人というケースも珍しくない。」
 
最初にこうあるけれど、僕が倒れる前、つまり5年前には、浜町や馬喰町のあたり、あるいは、新宿や市ヶ谷のあたりのコンビニは、スタッフは全員、外国人だった、と思う。
 
日本人も、いたかもしれないけれど、少なくとも深夜には、外国人しかいなかったと思う。

「全国のコンビニで働く外国人は大手三社だけで二〇一七年に四万人を超えた。全国平均で見るとスタッフ二十人のうち一人は外国人という数字である。」
 
全国的にみると、たいしたことはない、と僕などは思ってしまう。やっぱり、「コンビニ外国人」といえば、東京や大阪といった大都市が、大きいのだろう。
 
その意味では、コンビニの外国人は、ますます全国津々浦々、増えていく可能性がある。
 
しかし、必ずしもそうではない、という予測もある。
 
レー・タイ・アインさんは24歳、ベトナムの男子留学生で、東大大学院で経済を学んでいる。彼は5年近く、コンビニで働いた経験がある。彼のいうことは、筋が通っている。

「おそらく東京オリンピックの後は、日本は不況になります。しかも、日銀の超低金利もオリンピック後には上昇する見込みで、企業の資金調達も困難になると思います。……本来は外国人の労働力をうまく使わないと経済成長できませんが、外国人はきっと増えません。なぜなら日本は外国人労働者の受け入れ制度が整っていません……」
 
だから、日本は不況になって、外国人労働者は、逃げてゆくだろう、その結果、日本の経済は、ますます傾いていくだろう、というのである。

著者は「はじめに」で、最初にこの点を押さえている。
posted by 中嶋 廣 at 17:54Comment(0)日記